保護猫カフェの始め方

猫カフェを開業しようと思っている方の中には、どうせなら行き場のない猫達のために里親募集型の保護猫カフェを開こう!と思っている方もいるのではないでしょうか?

そんな方のために、保護猫カフェを始めるための手順を簡単にご案内します。

1.まずは、どんな保護猫カフェにするのか決めよう

保護猫カフェにもいろんなタイプの保護猫カフェがあります。

①飲食の提供が無い店舗

飲食の提供が無い店舗は飲食店にはなりませんので、
「動物取扱責任者」の取得と「動物取扱業」の届出が必要となります。

②ペットボトル飲料等の提供がある店舗

ペットボトル飲料等の提供がある店舗は飲食店にはなりませんので、
「動物取扱責任者」の取得と「動物取扱業」の届出が必要となります。

③猫とふれ合えるスペースとカフェスペースがあり飲食の提供がある店舗

飲食店になりますので、
「動物取扱責任者」の取得と「動物取扱業」の届出の他に、
「食品衛生責任者」の資格と「飲食店営業許可」の取得が必要になります。

※猫と触れ合えるスペースとカフェスペースが分かれていないと飲食店の営業許可はおりません。詳しくは各自治体の保健所にてお問い合わせください。

2.開業する場所を決めよう!

店舗の営業形態が決まったら、開業する場所を検討しましょう。

①賃貸物件

最近は、ペット可の賃貸アパートやマンション、戸建ても増えていますが、テナントとなると話は別です。
テナントでペット可の物件はほとんどありませんので、敷金を多めに支払う事や退去時に現状に戻すとこなどを条件に不動産業者に相談してみると良いかもしれません。

また、築年数の古い物件や長年空き家になっている物件、古民家等は、ペット可の場合があり、借主で自由にリノベーション出来ることもありますので、猫カフェとして営業するには狙い目かもしれません。

②自宅を改装

最近見かけるようになったのが、自宅を改装した猫カフェです。
一番手っ取り早い方法かもしれませんが、家族の同意を得ることや改装費、ご近所の反応など問題点も多々あります。
普通の民家ならではのアットホームな雰囲気が売りにはなりますが、逆を言えば知らない人の家に上がるような居心地の悪さを感じるかもしれません。

また、テナントに比べると利便性や視認性に劣り、閉鎖的な空間なので防犯上の対策が必要となります。

③売り物件

最近は、空き家対策として、100万円以下で買える物件の他、なんと!1円の物件や無償譲渡している物件もあります。
なんとなんと!それどころか、家具などの残存物を撤去する費用として数十万円貰える物件さえあります。

全国の空き家物件を検索できるサイトもいろいろありますので、是非探してみてください。

3.「動物取扱責任者」の取得「動物取扱業」の届出

猫カフェを開業するためには、「動物取扱責任者」の取得と「動物取扱業」の届出が必要です。

「動物取扱責任者」の取得

「動物取扱責任者」とは、自治体に責任者として登録をすることで、「動物取扱業」の登録申請には「動物取扱責任者」が必要です。

「動物取扱責任者」は、下記の3つの条件の内、いずれか1つの条件を満たさなければなりません。

営もうとする第一種動物取扱業の種別ごとに半年以上の実務経験があること。
(※第一種動物取扱業とは営利を目的として動物を扱う業種)
営もうとする第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術について一年間以上教育する学校法人その他の教育機関を卒業していること。
公平性及び専門性を持った団体が行う客観的な試験によって、営もうとする第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術を習得していることの証明を得ていること。

①は、猫カフェやペットショップ等で半年以上働いた経験が必要ということ。
(アルバイトでもOKです。)

②は、ペット関連の専門学校を卒業する必要があるということ。

③は、通信教育や民間の機関で資格を取るということ。

一番手っ取り早いのは、③の民間の機関で資格を取ることです。
以下のいずれかの資格を取得すれば猫カフェを開業できます。

資格名称受験料受講料登録料試験日備考
愛犬飼育管理士7,300円7,300円3,400円年3回入会金 2,000 円 + 年会費 4,000 円必要
家庭動物管理士10,000円20,000円10,000円年3回更新料(2年毎)10,000円
愛玩動物飼養管理士32,000円8,000円11月/2月6カ月の通信教育受講必要


※他にも下記の資格がありますが、受講期間が長かったり費用が高かったりするので詳細は割愛します。


「動物取扱責任者」は、初回に研修を受け、その後年に一度の研修を受ける必要があります。詳しくは各都道府県にてご確認ください。

「動物取扱業」の届出

「動物取扱業」には第一種と第二種があります。
営利業者が第一種動物取扱業、非営利業者が第二種動物取扱業となります。

通常の猫カフェは利用料を徴収するので第一種動物取扱業ですが、募金のみで運営する場合は、非営利なので第二種動物取扱業となります。

【動物愛護管理法 第一種動物取扱業者の規制を受ける業種】

・販売 ペットショップ・ブリーダー・ブローカーなどペットの販売・繁殖・輸入
・保管 トリマー・ペットホテル・ペットサロン・ペットシッター等ペットを預かる業務
・貸出 ペットレンタル、ペットモデル・タレント犬など愛玩・撮影・繁殖などでペットを貸出
・訓練 ドッグトレーナー・ペットトレーニング等動物の訓練・調教
・展示 動物園、水族館、猫カフェ・動物ふれあいパーク・移動動物園・乗馬施設
ふれあいを目的とするアニマルセラピー等
・競りあっせん業 会場で行う動物のオークション等
・譲受飼養業 老犬・老猫ホームなど有償で動物を譲り受けて飼養する業務

猫カフェの場合、「展示」が当てはまります。

第一種動物取扱業の登録申請の流れ

第一種動物取扱業」の登録申請は、営業を行おうとする事業所の所在地の都道府県または政令市等で行います。
登録の手続きや必要な条件等は、所轄の動物行政の担当部署にご確認ください。

東京都福祉保健局が管轄する地域の場合
1.必要書類の提出 (申請手数料 15,000円)
  1. 第一種動物取扱業登録申請書
  2. 「動物の愛護及び管理に関する法律」第12条第1項第1号から第6号までに該当しないことを示す書類
  3. 施設の平面図及び付近の見取図、施設の土地及び建物について事業の実施に必要な権原を有することを示す書類
  4. 動物取扱責任者研修の修了証の写し
2.施設の検査
3・登録証交付

4.「食品衛生責任者」の資格と「飲食店営業許可」の取得

飲食の提供がある店舗の場合は、
「食品衛生責任者」の資格と「飲食店営業許可」の取得が必要になります。

「食品衛生責任者」の資格の取得

「食品衛生責任者(食品衛生管理責任者資格)は、店舗の衛生管理をする責任者の資格です。

資格者は経営者本人である必要はなく、店舗に常駐しているスタッでも問題ありません。

①「食品衛生責任者要請講習」を受けて管轄の自治体へ申請する。

「食品衛生責任者資格」は、店舗開業の開始前に取得しておく必要があります。
ただし、「食品衛生責任者要請講習」は先着順の受講のため、開店までに受講予約が取れなかった場合は、後日講習を受け、資格を証明するものを提出するという誓約書を書くことで、前もって許可を得ることができます。

「食品衛生責任者要請講習」概要

  • 講習時間 : 1日(約6時間)
  • 申込方法 : 各都道府県の衛生局または保健所に問合せる
  • 受講料 : 各都道府県によって異なる。目安=約1万円

②栄養士・調理師・製菓衛生師などの調理に関する免許を持っている。

「飲食店営業許可」の取得

「営業許可申請(書類の提出)」は、飲食店を営業するために必要なもので、所轄の保健所で行います。

まず保健所で事前協議を行いますが、店舗の平面図が必要です。
営業をしようとしている施設の厨房やトイレなどが許可基準を満たしているかを確認するためです。

施設の工事に着手する前に保健所に行きましょう

「営業許可申請」にかかる手数料は各行政機関で定めているので、それぞれ異なります。

目安として東京都新宿区では18,300円です。

営業許可申請の流れ

  1. 許可申請書の記入
  2. 営業設備の大要記入
  3. 申請用図面の作成
  4. 保健所との事前協議
  5. 許可申請書の提出
  6. 保健所の現地調査
  7. 営営業許可証の交付

まとめ

猫カフェ開業までの流れをおさらいします。

  1. どんな猫カフェにするのか決める!・・・飲食の提供はあるかないか等
  2. 開業場所を決める!・・・テナント、自宅、売り物件等
  3. 「動物取扱責任者」の取得と「動物取扱業」の届出
  4. 「食品衛生責任者」の資格と「飲食店営業許可」の取得

3.4は前後することがあると思います。
思い立ってすぐ営業出来る業種ではないので、事前にじっくり計画を練り、生き物の命を預かる仕事なので、途中で挫折することのないように慎重に開業に向けて準備してください。

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